がんばれ、カラダ防衛軍! 栄養で免疫系を応援しよう!:教えて!イースマ

がんばれ、カラダ防衛軍! 栄養で免疫系を応援しよう!

 世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。2020年5月現在、国内の新たな感染者の数は減りつつありますが、油断は禁物。恐らく第2波、第3波の感染の波が来ると予想されているからです。地球は人間だけの星ではないので、今後もコロナウイルスを含め、様々な感染リスクとうまく付き合っていかなくてはならないようです。


 人間には、ウイルスのような外敵の侵入から体を守る「免疫系」という仕組みが備わっています。栄養状態が悪いと免疫力は下がってしまい、過去のインフルエンザの流行例にもこれが重症化の一因と考えられるものがあるとか。でも、免疫力をグっと高めて新型コロナウイルスを撃退してくれる栄養成分なんて、少なくとも現在のところはありません。栄養は長い間の食生活を通して、人がもともと持っている力を引き出してくれるもの。そうして免疫系を元気に保つことは、さまざまな感染から体を守ることにつながるはず。そのように捉えて、これからも続くウイルスとのお付き合いに備えたいですね。そのためには…。


食事を抜かない!

 高機能のスマートフォンも、電池切れではただの金属の固まりです。エネルギー源になる栄養素を摂らなければ、免疫系も働けません。エネルギー源としてとくに重要なのは、オフされがちな糖質を含む、ご飯、めん、パンなどの「主食」です。


 減量をしたい人にとっては残念ながら今はオススメできないタイミング。どうしても! ということなら、エネルギー(カロリー)を極端に減らすのはやめ、食べる時刻・速さや食べる料理の順番を考える方法でトライしてはいかがでしょう。


食事に主菜や牛乳・乳製品はありますか?

 侵入者と直接戦う白血球も、外敵(抗原)をやっつける武器(抗体)も、たんぱく質でできています。たんぱく質は、体内で常に分解と合成が繰り返されており、毎回の食事で材料を補給していく必要があります。たんぱく質源としてとくに重要なのは、肉、魚、卵、大豆・大豆製品などを使った「主菜」。おやつで摂りやすい牛乳・乳製品も良質なたんぱく源です。


 ところで主菜ではも食べていますか? さばやさんまなど青魚に多いビタミンDは免疫系とも関わりが深く、ビタミンD不足はウイルス性感染症のリスクになると考えられています。また、免疫系が外敵と戦うと、自然な反応として炎症が起きますが、高血圧、糖尿病その他の疾患のある人ではこの炎症反応が過剰になる傾向があります。炎症によって血管が詰まったり血液が粘ったりすると、酸素の運搬がうまくいかずに症状が重症化することも。炎症反応に関わる物質はあぶらの成分から作られており、魚油やアマニ油、えごま油などに含まれる成分が材料となった物質では、炎症反応は比較的穏やかです。COVID-19の話ではありませんが、魚を少なくとも週1~2回、できればそれ以上食べると、心筋梗塞に代表される虚血性心疾患という病気になるリスクが下がることが知られています。


食事に副菜や果物はありますか?

 侵入者と直接戦う白血球には、体内をしっかりパトロールしてもらいたいもの。「副菜」に使われる野菜、そして果物に豊富なビタミンCは、この種の白血球が動き回る力を高めます。一方、かぼちゃやアボカドに多いビタミンEは、ビタミンCとともに体を炎症から守ってくれます。


 副菜ではにんじんやほうれん草などの緑黄色野菜のおかずも食べていますか? これに多く含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変わります。これは「抗感染ビタミン」とも呼ばれ、十分に補給しているとマラリアやはしかなどの感染率が下がることがわかっています。


 根菜、きのこ、海藻など、食物繊維が豊富な食品も摂っていますか? 食物繊維は人体最大の免疫器官・腸のコンディションを整えます。まいたけ、エリンギ、きくらげなどのきのこには、ビタミンDも豊富です。


こまめな水分補給を!

 脱水が起こらないようこまめにお茶や水を飲んで、血液が循環しやすい状態にしておくことも大事です。給水は熱中症対策としても重要です。これから暑くなりますが、感染予防のためにマスクで顔を覆っていると体熱を逃がしにくくなるのでご注意を。


栄養以外では…

 運動、睡眠、ストレス管理も免疫系にとっては大事。睡眠不足に朝食抜きで満員電車に乗るのはNGです! また「新しい生活様式」は、同じ社会に暮らす人(もちろん自分も含め)の生活を守ります。最後に、これを機に台風や地震も含めた災害時の備えをもう一度見直してみては。今回はマスク、トイレットペーパー、お米などが品薄になった時期がありました。備蓄があれば不当に高い商品を買わなくても済むし、そのことが結果的に入手しやすさにつながっていくはずです。


 「なーんだ、小学校の給食の時間に習ったことばかり」と思われたかもしれません。その通り基本的で、そして大事なことなのです。カラダ防衛軍「免疫系」の応援、これからも気を抜かずしっかりやっていきましょう!


■参考資料

1) 一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会 COVID-19 対策プロジェクト チーム(P 009). 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療と予防に関する栄養学的提言 (閲覧日 2020年5月15日)

2) Iso, H. et al. Circulation. 113:195-202, 2006.

3) Barazzoni, R. et al. Clin Nutr. https://doi.org/10.1016/j.clnu.2020.03.022

4) Zhang, L. and Liu, Y. J Med Virol. 92:479-49, 2020.

5) 国立健康・栄養研究所. 新型コロナウイルス感染症対策としての栄養・身体活動(運動)について (閲覧日 2020年5月15日)

6) 厚生労働省. 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました (閲覧日 2020年5月15日)



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