トマト - 旬の食材薀蓄(うんちく、ウンチク)
医者も真っ青、トマトの栄養!
さんさんと降り注ぐ太陽の下、枝葉を大きく伸ばした大人の人間と変わらない背丈の植物。緑鮮やかな葉っぱの中からは、弾けんばかりの果皮にまぶしい赤い実。
この正体は、そう、トマト!
夏はトマトのおいしい季節なのです。
この真っ赤な色は、リコピンというカロテノイド色素によるものです。リコピンは含まれる食材・量が共に少なく、トマトにだけ多く含まれています。
このトマト特有の色素・リコピンは私達の体内でよく働き、たくさんの利益をもたらしてくれます。
第一に、強い抗酸化作用を持っているため、活性酸素を退治しがん予防・脳卒中予防・老化防止に役立ちます。
第二に、コラーゲンの合成を促し、皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあります。
第三に、シミやソバカスのもとであるメラニンの合成を抑えるため、美白効果が期待されます。
トマトにはリコピン以外にも胃のむかつき解消、疲労回復効果のあるクエン酸や、旨味を出すグルタミン酸も多く含まれています。
古くよりヨーロッパでは「トマトのある家に胃腸病なし」・「トマトが赤くなると医者は青くなる」などと、トマトの効果は認められていました。
そして、ヨーロッパではトマトソースやピューレなど、調味料のようにトマトを利用しています。家庭では旬の時期に収穫した栄養素の多いトマトを使い、一年分を作るため、調理によってさらにリコピンの凝縮されたものになっています。
選ぶときは、まず、この時期の完熟品を買うことが第一条件! 味も濃くおいしく、さらには栄養素の含有量が年間で一番多いからです。
完熟トマトは冷蔵庫でさっと冷して食べます。
未熟のものは購入したら常温で保存しましょう。一週間はおいしく食べることができます。
でもまずは、生のまま食べてみてください。トマトの一番のおいしさ、甘味・酸味・旨味を感じることができますよ。
調理する際は、油を少し使った料理にすると、リコピンの吸収率がアップします。
また、トマトの酸味で減塩効果が期待できますので、味付けは軽くするようにしましょう。イチオシは、トマトの卵炒めです。
~お役立ち薀蓄~トマトソース・ピューレ・ジュースなどには、生トマトよりリコピンが高濃度に含まれている
上手に選ぶコツ
- 全体
色むらがなく、ずっしりと重いもの
ハリ・ツヤがあり、全体に丸みがあるもの - 果実
ゼリーがぎっしりと詰まっているもの - へた
切り口がみずみずしいもの
ピンと張りがあり、緑色のもの
旬の時期
7月~8月