かき - 旬の食材薀蓄(うんちく、ウンチク)
栄養豊富な「かき」は“海のミルク”
冬の美味しい海の味覚と言えば、かきではないでしょうか。
暖かい部屋で、氷の上にのった冷たい生がきにレモンを絞ってチュルッと吸い込む・・・とても贅沢な光景ですよね。
冬に広く出回っているまがきという種類は、12月~3月頃までがもっとも栄養成分に優れており、旨みの濃い美味しいかきです。(逆に真夏に食べることのできるかきは、いわがきといい三陸産のものが有名です。)
かきはフライ、炊き込み御飯やグラタンなど定番のメニューがたくさんありますが、独特の甘みとなめらかな食感を楽しむには生食がいちばん!
そんなときにはレモンは必需品。レモンを絞ってビタミンCと一緒に食べることで、亜鉛の利用効率が高まるからです。
また、かきの旨み・だしを堪能するには、土手鍋、チャウダーなどがあります。
殻付きかきの下処理は、大根おろしを使うのがポイント。殻からはずした身を大根おろしで洗い流すと大根が汚れを吸着してくれて、きれいな身になります。
なおその際に、下処理(大根や塩水で洗うこと)を手早く行うと、より風味や旨味が活かされたものになるでしょう。(高温で加熱調理を行うものは、旨味が流れ出ないよう、洗わずに使用すること。)
むき身を利用する場合、ペーパーで水気を拭いてから、調理をしましょう。
かきは、炭水化物であるグリコーゲンや、ミネラルである亜鉛や銅、またビタミンB2やビタミンB12、葉酸を多く含みます。これらのビタミン・ミネラルは貧血予防に効果大!
さらにタウリンも多く含まれており、血圧や血中コレステロールが上がるのを抑えたり、肝臓の機能を正常に保ったりする働きも期待できます。
殻は、漢方薬として精神安定や不眠症治療にも利用されます。
かきが「海のミルク」と呼ばれるのは、こんなに多くの栄養素が含まれているからなのですね。
※かきは、ノロウィルス(小型球形ウィルス(SRSV))に汚染されている場合があるので、80℃1分間の加熱処理をしてあるものが食品衛生上は安全です。
~お役立ち薀蓄~年末年始、かき食べてタウリン摂取だ、肝機能アップ
上手に選ぶコツ
- むき身
貝柱が透き通っているもの
ぷっくりと膨らんでいるもの
まわりのひらひらが色鮮やかなもの - 殻付き
判断しにくいので、産地のしっかりしたものを選ぶ
(広島産、三陸産、特に志摩半島の的矢湾産は美味)
信用のあるお店で購入をする
旬の時期(まがき)
かきのうれしい機能
亜鉛
いろいろな酵素に含まれ、アルコールの代謝、核酸やたんぱく質の合成、免疫機能の主役であるT細胞やナチュラルキラー細胞の働きなどに関与しています。不足すると、味覚障害・うつを起こしやすくなることも。 「栄養素を知ろう!」でさらに詳しい情報>>タウリン
胆汁酸の分泌を促進することで、その材料であるコレステロールの排泄を促し、胆石や動脈硬化を予防する効果や、交感神経の興奮を鎮めることで、食塩由来の高血圧を防ぐ効果か期待されています。そのほか、うっ血性心不全や肝炎の改善にも有効です。