亜鉛 - 栄養素を知ろう!

私たちの体にどんな影響を与えるのか?
特徴や働きを知りましょう。

特徴

亜鉛は主に肝臓、腎臓、歯、骨、筋肉などに存在します。
新陳代謝や成長の促進、酸化の抑制、インスリンの合成などに関与します。
不足すると味覚障害や肌荒れ、脱毛、発育不良など、さまざまな症状が引き起こされます。

働き

新陳代謝を促す

亜鉛の働きの中でもとくに大切なのが、遺伝情報を伝える核酸(DNA・RNA)の合成と、これに従って作られるたんぱく質の分解・合成を促すことです。
つまり古い細胞を分解し、新たな細胞を合成する「新陳代謝」を活発にするということです。

亜鉛不足になると細胞分裂が正常に行われなくなり、肌荒れや脱毛、爪の異常、味覚の異常、ケガの治りの遅れ、貧血、免疫力の低下が起こり、成長期では発育不良が引き起こされます。
また性的な機能の発育にも影響するため、男性では性機能不全、女性では乳房の発育不全や胎児の発育不良なども現れます。
欠乏症の中でも早く表れるのが味覚異常です。
これは舌の細胞が、わずか1ヶ月ほどの短いサイクルで入れ替わっているためです。

体内を酸化から守る

活性酸素は身体にとって必要なものですが、過剰に発生してしまうと細胞を酸化させて傷つけます。
これが老化やガンの原因といわれています。
また活性酸素は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を酸化させ、血管壁に沈着させて血管を傷つける作用もあります。
これは動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病を引き起こす原因となります。

亜鉛は活性酸素を抑える抗酸化酵素の構成成分となり、活性酸素による害を減らすのに役立ちます。

インスリンを正常に保つ

亜鉛は血糖を調節するホルモンである、インスリンの構成成分になっています。
そのため亜鉛不足は糖尿病にもつながります。

体内のさまざまな代謝にかかわる

亜鉛は抗酸化酵素やインスリンのほかにも、200種以上の酵素を活性化させたり、酵素の構成成分となったりしています。
そのため亜鉛は、ホルモンや生理活性物質といった体の仕組みに働きかける物質の合成・活性化や、アルコールの解毒をはじめとする体内のさまざまな化学反応にかかわっています。

亜鉛が不足すると…

味覚障害、爪の異常、肌荒れ、ケガの治りの遅れ、免疫力の低下、亜鉛欠乏性貧血、発育不良、流産、不妊症、男性の性機能不全、老化など

亜鉛を摂りすぎると…

吐き気、下痢、胃腸障害、貧血(鉄または銅欠乏性)、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の低下など
普通の食事をしていれば過剰症の心配はありません。
しかしサプリメントに関しては、記載されている摂取目安量以上を長期服用すると過剰症がみられることもあります。

マメ知識

亜鉛はアルコール分解にも使われるため、飲酒も不足の原因となります。

多く含む食品

  • カキ(牡蛎)、牛肉(とくに肩ロース肉)、ラム肉、牛・豚レバーなど

旬の食材薀蓄

効率よく摂るには

亜鉛はカルシウムや食物繊維、タンニン、カフェインなどと結びつき、体外へ排出されやすい性質があります。
少しでも吸収率を高めるために、以下のような成分と組み合わせて摂ると効果的です。

ビタミンCと一緒に摂る

ビタミンCは、レモン、いちご、キウイ、キャベツ、ピーマン、ブロッコリーなどに多く含まれます。

有機酸と一緒に摂る

お酢、トマト、梅干、酸味のある果物、ヨーグルト、ワインなど酸味のあるものに含まれる有機酸には、ミネラル類を吸収しやすくする働きがあります。

ワンポイントアドバイス

亜鉛を多く含むカキに、クエン酸とビタミンCを多く含むレモン汁をかけて食べるという組み合わせは、亜鉛の吸収率を高めるために適切であるといえます。

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