ビタミンA - 栄養素を知ろう!

私たちの体にどんな影響を与えるのか?
特徴や働きを知りましょう。

特徴

ビタミンAは、視覚や細胞分裂にかかわるほか、抗酸化作用で体内の酸化を防止します。
「ビタミンA」とはレチノールと、体内でレチノールに変わるプロビタミンA(α-カロテン、β-カロテン、クリプトキサンチンなど)をまとめた呼び名で、ビタミンAの量は、レチノール量とプロビタミンAがレチノールに変換された量の合計である「レチノール当量」として表されます。
レチノールは肉や魚などの動物性食品に多く、プロビタミンAは緑黄色野菜や果物などの植物性食品に多く含まれています。

レチノールは油脂に溶けやすく、光や酸素、熱、酸によって壊れやすい性質があります。
しかし代表的なプロビタミンAであるβ-カロテンは、熱や酸には比較的強い性質があります。

不足すると、夜盲症や肌荒れ、免疫力低下が引き起こされる可能性があります。

働き

視覚を調節する

ビタミンAは明暗を感じるのに必要です。
目の網膜にあるロドプシンは、「見る」ために不可欠な神経伝達物質ですが、その材料になっているのがビタミンAです。
そのため不足が起こると夜盲症といって、暗い場所でなかなか目が慣れないといった症状が生じます。
また夜盲症までにはならなくとも、ドライアイ(眼球乾燥症)や視力低下につながります。

皮膚や粘膜を正常に保つ

ビタミンAは皮膚および口、喉、胃、腸などの粘膜にある細胞分裂を助け、細胞を正常に保ちます。

免疫を正常に保つ

皮膚や粘膜の維持は、細胞自体の免疫力も高めることにもつながります。
そのため不足すると口内炎、風邪などにかかりやすくなります。

体内を酸化から守る

活性酸素は身体にとって必要なものですが、過剰に発生してしまうと細胞を酸化させて傷つけます。
これが老化やガンの原因といわれています。
また活性酸素は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を酸化させ、血管壁に沈着させて血管を傷つける作用もあります。
これは動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病を引き起こす原因となります。

体内にレチノールが十分にあれば、α-カロテン、β-カロテン、クリプトキサンチンなどのプロビタミンAはレチノールに変化せず、細胞の代わりに酸化されて細胞を守り、活性酸素による害を減らすのに役立ちます。

ビタミンAが不足すると…

夜盲症、肌や粘膜の乾燥、免疫力低下など

ビタミンAを摂りすぎると…

頭痛、吐き気、疲労感、胎児の奇形など
β-カロテンのようなプロビタミンAについては過剰症の心配はありません。
レチノールも、普通の食事の範囲なら過剰症の心配はまずありませんが、極端な食事やレチノールのサプリメントに関しては、記載されている摂取目安量以上を長期服用すると過剰症がみられることもあります。
脂溶性のビタミンは肝臓にたまりやすく過剰症を起こしやすい性質がありますが、ビタミンAはとくにその傾向が強いので、注意が必要です。

マメ知識

抗酸化物質は、種類によって働く場所や対象が違います。
たとえばβ-カロテンは油脂に溶ける成分なので、油脂に溶ける成分の酸化防止に効果的です。
またみかんを食べすぎると手が黄色くなることでわかるように、細胞の中にも取り込まれますが、目の網膜の細胞には入れません。

さらにβ-カロテンは、働く場所の酸素の量(分圧)によっては抗酸化作用がなくなる場合もあります。
β-カロテンの多い食事を摂っている人は、ガンになる危険率が低いという調査結果がある一方、β-カロテンを単独でサプリメントから摂った結果、肺ガンや前立腺ガンの発生率はむしろ高くなったという報告もあります。

これらのことから、体全体の酸化防止には、β-カロテンだけでなくいろいろな抗酸化物質を組み合わせて摂る必要があります。
とくにβ-カロテンはサプリメント等で単独で大量に摂るのではなく、いろいろな栄養素と一緒に摂るのが安心のようです

多く含む食品

  • レバー、うなぎ、あなご、銀だら、メロ、ほたるいか、緑黄色野菜(たとえばかぼちゃ、にんじん、春菊、ほうれん草、モロヘイヤ、あしたばなど)など

効率よく摂るには

β-カロテンはレチノールよりも吸収率が劣ります。
しかし油脂に溶ける性質があるので、油脂と一緒に摂取すると吸収率が高まります。

調理油と組み合わせる

揚げ物、炒め物、マヨネーズやドレッシングをかけた料理などにします。

乳製品と組み合わせる

牛乳、生クリーム、チーズ、アイスクリームなどと合わせます。

牛乳には、大量に摂ると鉄の吸収を邪魔するカルシウムが多く含まれています。
しかし同時に鉄の吸収を促す成分(カゼインホスホペプチド)も含まれているため、食事として一般的な範囲で牛乳・乳製品を摂っても心配ありません。

ワンポイントアドバイス

β-カロテンの多い食事を摂っている人は、ガンになる危険率が低いという調査結果がいくつか出ています。
しかしその一方、β-カロテンを単独でサプリメントから摂った結果、肺ガンや前立腺ガンの発生率はむしろ高くなったという報告もあります。
ガン予防を考えるなら、β-カロテンは、サプリメントで単独で摂るのではなく食事からいろいろな栄養素と一緒に摂るのが安心のようです。

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