マンガン - 栄養素を知ろう!
私たちの体にどんな影響を与えるのか?
特徴や働きを知りましょう。
特徴
マンガンは体内の組織や臓器に広く存在し、いろいろな酵素の構成成分になったり、酵素を活性化したりして、結合組織の合成や酸化防止などをはじめとする、体内の代謝に広くかかわっています。
動物性食品に少なく、植物性食品に多い栄養素ですが、いろいろな食品に含まれているため、通常の食生活をしていれば不足する心配はありません。
しかし、もし不足した場合は、骨格の異常、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、生殖能力の異常、肌荒れなどが起こりやすくなるほか、代謝が悪くなって、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす原因になります。
成長期の子どもでは、発育不良になる可能性があります。
働き
骨や皮膚の形成にかかわる
マンガンは、骨、軟骨、関節液、皮膚などの結合組織の合成や、骨へのミネラルの沈着を助けます。
そのため骨や皮膚の健康を保つのに重要な栄養素です。
インスリンの合成にかかわる
マンガンは血糖を調節するホルモンである、インスリンの合成にかかわっています。
そのためマンガン不足は糖尿病につながる恐れがあります。
神経の機能を正常に保つ
マンガンは、神経細胞間で情報を伝える神経伝達のコントロールに必要です。
その一方、摂りすぎると脳にとっては毒となり、からだを動かすことができなくなったり、思考力が低下したりといった中枢神経の障害が引き起こされます。
体内を酸化から守る
活性酸素は身体にとって必要なものですが、過剰に発生してしまうと細胞を酸化させて傷つけます。
これが老化やガンの原因といわれています。
また活性酸素は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を酸化させ、血管壁に沈着させて血管を傷つける作用もあります。
これは動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病を引き起こす原因となります。
マンガンは活性酸素を抑える抗酸化酵素の構成成分となり、活性酸素による害を減らすのに役立ちます。
体内のさまざまな代謝にかかわる
マンガンは各種酵素を活性化させたり、酵素の構成成分となったりして、生殖能、成長、脂質代謝、血液凝固因子の合成などにかかわっています。
カルシウムとともに、月経前症候群のうつやイライラ感の軽減に使われることもあります。
マンガンが不足すると…
骨格異常、骨粗鬆症、発育不良、肌荒れ、高血糖、脂質代謝の低下、生殖能力の低下など
マンガンを摂りすぎると…
精神障害、中枢神経系障害、生殖能力の低下、免疫力の低下、腎炎、膵炎、肝障害など
普通の食事をしていれば過剰症の心配はありません。
しかしサプリメントに関しては、記載されている摂取目安量以上を長期服用すると過剰症がみられることもあります。
マメ知識
マンガンの吸収率は、食事に含まれるカルシウムや鉄の量と反比例します。
ですから病気の治療など特別な目的がある場合を除き、カルシウムや鉄だけが強化された食品やサプリメントにかたよった食生活は、マンガン不足を招く可能性があります。
多く含む食品
- 玉露、パイナップル、しじみ、大豆製品(たとえばがんもどき、湯葉、厚揚げなど)、玄米、ライ麦パン、栗、モロヘイヤ、あしたば、空心菜、トウミョウ、れんこんなど