中鎖脂肪酸 - 栄養素を知ろう!

私たちの体にどんな影響を与えるのか?
特徴や働きを知りましょう。

特徴

脂肪酸は炭素原子が鎖のように長くつながったものからできています。
この鎖の長さが6-8個から10-12個程度のものが、中鎖脂肪酸です。
中鎖脂肪酸は飽和脂肪酸のため酸化されにくいという特徴があり、また同じ中鎖脂肪酸でも、鎖の長さによって性質に多少違いがあります。
※イートスマートでは炭素の鎖の長さが8個のオクタン酸(カプリル酸)、10個のデカン酸(カプリン酸)、12個のラウリン酸の合計量を中鎖脂肪酸の量として表示しています。

働き

エネルギーになりやすい

長鎖脂肪酸が、吸収後に全身を巡ってから肝臓にたどり着くのに対し、オクタン酸、デカン酸は吸収されると肝臓に直行し、速やかに燃えてエネルギーになります。
そのため「体に脂肪がつきにくい」という特定保健用食品の成分となっています。
その他、脂質の代謝がうまくできず血液中の脂肪が増えやすい体質の人や、体に負担をかけずにエネルギー(カロリー)摂取量を増やしたい人のための医療用食品にも使われています。
一方同じ中鎖脂肪酸でも、炭素が12個つながったラウリン酸はオクタン酸やデカン酸ほど燃えやすくなく、長鎖脂肪酸に近い形で処理されます。

脳のエネルギー源にもなれる

脳はブドウ糖を主なエネルギー源にしていますが、「ケトン体」という物質も代替エネルギー源として使うことができます。
糖尿病の人や高齢者では、脳細胞がブドウ糖を取り込む力が衰えやすく、その場合はケトン体もエネルギー源として重要な役割を果たします。
中鎖脂肪酸にはケトン体に変わりやすい性質があり、脳にエネルギーを補給することで、認知機能の働きを助ける可能性が期待されています。

中鎖脂肪酸が不足すると…

不明(マメ知識もご覧ください)

中鎖脂肪酸を摂りすぎると…

肥満
糖尿病や肝臓病の人は、ケトン体の処理能力が低下していますので、一度に大量に摂ることには注意が必要です。

多く含む食品

  • ココナッツミルク、ココナッツオイル(やし油)、ココナッツパウダー、パーム核油、ショートニング、バター、生クリーム、シェーブルチーズ(やぎ乳のチーズ)、中鎖脂肪酸高配合の食用油

マメ知識

牛乳といえば、良質なたんぱく質や豊富なカルシウムなど、栄養の優等生の食品。
さらに最近では牛乳・乳製品を摂る習慣がある人のほうがアルツハイマー型認知症が発症しにくいことがわかり、注目されています。
牛乳・乳製品には中鎖脂肪酸や短鎖脂肪酸といった、ケトン体になりやすい脂肪酸が多く含まれています。
中高年者では、これらの脂肪酸を摂る量が少し増える(たとえば牛乳150mlまたはバター小さじ2杯相当)だけで、認知機能が衰えにくい傾向がみられるとのこと。
高齢化が進む日本では、興味深いお話ですね!

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