食物繊維 - 栄養素を知ろう!

私たちの体にどんな影響を与えるのか?
特徴や働きを知りましょう。

特徴

食物繊維は、摂っても人の消化液では消化吸収できない成分全般を指し、多くは炭水化物の仲間です。
以前は栄養素とは考えられていませんでしたが、血中のコレステロールや血糖値を正常に保ったり、大腸の運動を促したりする働きが認められ、現在は第6の栄養素と呼ばれるようになっています。

水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維では、働きが違うといわれていますが、どちらも腸内をきれいにして環境を整えることで、免疫力や皮膚のコンディションの維持にも間接的に役立っています。
不足は糖尿病や脂質異常症、便秘や大腸炎などの原因となります。

働き

水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑える

炭水化物は消化によってブドウ糖となり、吸収された後、血液中に運ばれます。
この血中のブドウ糖のことを「血糖」といいます。
食べすぎで血糖が高い状態がひんぱんに、また長期間続くと、糖尿病が引き起こされやすくなります。
水溶性食物繊維は粘性があるため、炭水化物の消化・吸収を邪魔してブドウ糖が血液に出てくる速度を遅らせ、血糖が急激に上がるのを抑えることができます。

水溶性食物繊維はコレステロールの吸収も抑える

粘性のある水溶性食物繊維は、腸内を通過していく途中、コレステロールや、コレステロールから作られる胆汁酸などを吸着してくれます。
食物繊維のほとんどは消化も吸収もされず、そのまま排出されるため、コレステロールの吸収・再利用が抑えられ、脂質異常症や動脈硬化などの生活習慣病が起こりにくくなります。

不溶性食物繊維は大腸の運動を促進する

不溶性食物繊維には保水性があるため、腸内の便のかさを増し、やわらかくする作用があります。
そのため腸の運動が活発になり、便がスムーズに排出されるようになり、便秘予防や腸内の有害物質の速やかな排出に役立ちます。

食物繊維が不足すると…

糖尿病、脂質異常症、動脈硬化、便秘、大腸炎など

食物繊維を摂りすぎると…

下痢、ミネラル等の排出など
普通の食事をしていれば過剰症の心配はありません。
しかしサプリメントに関しては、記載されている摂取目安量以上を長期服用すると過剰症がみられることもあります。

マメ知識

食物繊維は長年、栄養にならない役立たず者だと考えられていました。
しかしイギリスのバーキット医師が、大腸ガンの多いイギリス人と、大腸ガンにかかることがまれなアフリカ原住民を比較し、アフリカ原住民がイギリス人の約4倍の食物繊維を摂取していること、1日の排便量も約4倍であることから、食物繊維の摂取量と大腸の病気の相関性を見つけました。
そして1970年代に「大腸ガンや大腸の病気は、食物繊維の不足から起こる」という発表をし、食物繊維は一躍注目されるようになりました。
ただし、食物繊維を摂っている人たちの大腸ガンの発生率は必ずしも低くはなく、食物繊維の摂取量と大腸ガンの発生率には関係がないとする調査結果もあり、「食物繊維さえ摂っていれば、大腸ガンが予防できる」というわけではないようです。

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