炭水化物(糖質) - 栄養素を知ろう!

私たちの体にどんな影響を与えるのか?
特徴や働きを知りましょう。

特徴

炭水化物(糖質)は、たんぱく質、脂質とともに3大栄養素といわれ、身体の主要なエネルギー源となります。
糖質は、単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど)、二糖類(麦芽糖、しょ糖、乳糖など)、多糖類(でんぷん、グリコーゲンなど)の3種類に分けられます。
不足するとやせすぎや疲労感の、摂りすぎると肥満や糖尿病、メタボリックシンドローム、動脈硬化などといった生活習慣病の原因となります。

働き

エネルギーを産生する

食べ物に含まれる糖質は、すべて最小単位である単糖にまで分解されてから吸収され、各細胞へと運ばれて1gあたり4kcalのエネルギーを産生します。
エネルギーは、脂質やたんぱく質からも作り出すことができますが、脳のエネルギー源になるのは、飢餓状態にならない限り、単糖のひとつ、ブドウ糖だけです。
炭水化物(糖質)の不足は、脳の燃料切れによる思考力低下のほか、疲労感ややせすぎの原因にもなります。

燃料として貯蔵される

血液中のブドウ糖は「血糖」と呼ばれ、インスリンというホルモンによって一定の濃度に調節されています。
血液中の余分なブドウ糖は、グリコーゲンに作り変えられて肝臓と筋肉に貯蔵され、必要に応じてエネルギー源として使われます。
しかし食べすぎて血糖が高い状態が長く続くと、だんだんとインスリンの効きが悪くなり、血糖が下がらなくなってきます。
これが糖尿病のはじまりです。
また貯蔵できるグリコーゲンの量には限界があるため、グリコーゲンとして貯蔵できなかった糖質は他のエネルギー源と同様に中性脂肪に作り変えられ、体脂肪として蓄えられます。
そのため糖質をとりすぎると肥満や脂肪肝の原因となり、さらにメタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。

身体を作る成分となる

炭水化物は分泌液、粘液、遺伝情報を担う核酸(DNA、RNA)などの材料になります。

炭水化物(糖質)が不足すると…

疲労感、思考力の低下、やせなど

炭水化物(糖質)を摂りすぎると…

肥満、脂肪肝、糖尿病、動脈硬化など

マメ知識

砂糖も炭水化物(糖質)の一種で、ブドウ糖と、果物に多く含まれる「果糖」が結びついたものです。
果糖はブドウ糖と同じくエネルギー源となり、余ったものは中性脂肪に作り変えられ脂肪として蓄えられます。
寝る前に砂糖の入った菓子や甘い飲み物を摂ることは、エネルギー(カロリー)の摂りすぎにつながり、脂肪を増やす原因になります。
一方、糖類が少し変化した形の「糖アルコール」や、糖類の分子が数個つながってできた「オリゴ糖」の中には、甘みはあっても砂糖ほどカロリーがないものもあります。
これらは人間が直接消化・吸収・利用することがでない物質で、砂糖と同じ炭水化物ではあっても、糖質ではなく食物繊維の仲間です。
人間は腸内細菌が分解した残りをわずかに利用できるだけなので、結果的に低カロリーになるのです。
摂りすぎるとおなかがゆるくなるので、体重50kgの人なら、15g(体重1kgあたり0.3g)までにとどめるのが目安です。
  (低カロリースイーツの項もご覧ください)。

多く含む食品

  • ご飯、パン、めん類、はるさめ、くずきり、いも、豆、とうもろこし、果物、砂糖、はちみつ、菓子、清涼飲料など

旬の食材薀蓄

効率よく摂るには

炭水化物はエネルギー源ですから、食物繊維、ビタミン、ミネラルと組み合わせると、ゆっくりと吸収され、また効率よく利用できます(エネルギーの項をご覧ください)。
血糖値が気になる人は、さらに以下のようなことに気をつけると、血糖値の上がり方がゆるやかになります。
ただし、これらの方法でカロリーカットできるわけではありません。

たんぱく質や脂質と一緒に摂る

たんぱく質や脂質は消化吸収に時間がかかるので、一緒に摂ると、血糖値の上がり方をゆるやかにすることができます。
食事は炭水化物の多いごはん、めん、パンだけで済ませず、おかずも摂りましょう。

有機酸と一緒に摂る

有機酸は、お酢、トマト、梅干、酸味のある果物、ヨーグルト、ワインなどに含まれているいろいろな酸味のもとの総称です。
有機酸を一緒に摂ると、食後の血糖値の上がり方が穏やかになる傾向があります。
炭水化物の多い食事のときは、これらを一品つけるのがオススメです。

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