ほうれん草:ほうれん草は、冬の霜で甘味が引き出されます。:旬の食材薀蓄

ほうれん草は、冬の霜で甘味が引き出されます

青菜の代表でおなじみのほうれん草は、菠蓮草と書きますが「菠蓮」は中国語でペルシャ(現在のイラン)のことをさします。その名の通り原産はペルシャで、日本には17世紀に伝来したといわれています。

このほうれん草、実は東洋種や西洋種などの種類があるのを知っていましたか?

葉が小さく先がとがっていてノコギリのような切れ込みがあり、根がピンク色なのは東洋種です。

アクが少なく甘味があるので、さっと茹でておひたしなどにするのに向いています。現在では、山形のみで栽培されています。

西洋種は、葉が大きくて丸く肉厚で、根が緑色なのが特徴です。暑さに強くて収穫量が多く、アクも強いほうれん草です。

交雑種は、東洋種と西洋種の一代交雑種で最近の主流です。東洋種の味を残す改良をしながら、収穫量を増やしています。

そして、サラダほうれん草。アクが少なく生食にむく新品種です。水耕栽培で作ります。

ほうれん草は葉からどんどん水分が蒸発してしおれやすい性質があるので、ぬれた新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管してください。

また、ほうれん草の茹で方は、茹で物の基本とされています。というのは、上手に茹でないと色よく仕上がらないからです。

鮮やかな緑色に茹でるにはコツがいります。

まず、たっぷりの湯に塩を少量加えて沸騰させ、ほうれん草を茎から入れて強火で茹でます。

そして、ほうれん草の緑色が一瞬冴えて茎がしなやかになるタイミングを逃さずにザルにあげ、冷水で冷します。

これで緑色の色素クロロフィルが安定するので、色鮮やかに仕上がるのです。

旬の冬季のほうれん草は、糖分やビタミンCが増加します。ほうれん草にはそのほかカルシウムβ-カロテン、ビタミンKなどの栄養素も豊富に含まれていますが、実はやっかいものも一緒に含んでいます。

それは、アクの主成分となっているシュウ酸です。シュウ酸は腎臓結石の元にもなり、また、カルシウムと結合してカルシウムの吸収を妨げてしまうのです。

しかし、茹でることでシュウ酸は除かれ、カルシウムとの結合を防ぐことができます。

栄養素たっぷりのほうれん草。甘味ののっているこの季節に味わって食べたいものです。


上手に選ぶコツ

  • 葉→ハリがあり、葉肉が厚い
  • 茎→太くて弾力がある
  • 根→根が大きいものは、順調
       に生育した証拠

旬の時期


12月~2月

ほうれん草のうれしい機能

  • 赤血球の構成成分で、酸素の運搬を行います。そのため不足をすると、貧血になります。とくに女性は不足しがちなので、十分に摂取しましょう。たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取をすると、吸収率がアップします。

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  • β-カロテン
  • 体内で必要な量だけビタミンAに変わり、残りは蓄積されます。β-カロテンは抗酸化作用をもち、がん予防などに効果を発揮します。

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  • ビタミンC
  • 肌のハリを保つのに必要なコラーゲンの生成に欠かせません。また、免疫力を高めるので、風邪の流行る季節には十分に摂りたい栄養素です。

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