突然の災害で「食」はどうなる?:教えて!イースマ

突然の災害で「食」はどうなる?

 このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に 心よりお見舞い申し上げます。犠牲者の皆様のご冥福と被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。


 災害はいつ起こるかわかりません。突然の災害で食生活は一変し、場合によっては数年にわたるサポートが必要なことも。そこで阪神・淡路大震災、中越大震災などの体験より作られた資料から、食事について、被災者サポートの参考になりそうな点、災害に対する心構えの助けになりそうな点をピックアップしてみました。


◆災害時の食事のポイント

資料に挙げられている問題点を分類してみると、1) 栄養補給  2) 衛生管理  3) ショックを受けた心のケア  4) 食事に配慮が必要な人のケア(高齢者、乳幼児、疾病・障がいがある人等) に気をつけていかねばならないことがわかります。


◆時間とともに変わる問題点

気をつけることは、災害後の時間の経過とともに変わってきます。


■フェイズ0(おおむね災害発生後24 時間以内): 初動体制の確立

  被災者数、ライフライン、食料、調理設備などの状況把握、支援計画・要請がされる段階

この段階ではまず命をつなぐことが重要で、栄養的に優先されるのは、エネルギーと水分です。

  • 非常用の食料から、すぐエネルギーになるような食品や飲料を摂ることになります。ライフラインが確保できないことも多いので、調理がいらない缶詰、レトルト、フリーズドライなどの食品が主体になります。
     高齢者や小さい子どもには、乾パンのような固いものは食べにくく、レトルトのおかゆやスープなどが食べやすいとのことです。

■フェイズ1(おおむね災害発生後72時間以内): 緊急対策

  簡単な食事の差し入れや、自衛隊、ボランティア、住民等による炊き出しの提供がある段階

この段階では食料がまだ十分ではないので、全員に行き渡るよう、また地域差がないよう分配します。
栄養的には量が足りず、エネルギー源となる炭水化物主体の食事となり、他の栄養素は不足しがちです。

  • 限られた状況で難しいとは思いますが、少しでもバランスがよくなるよう、できる範囲でいろいろな種類の食品を組み合わせます。 栄養状態が悪いと免疫力が落ちて、風邪やインフルエンザ等にかかりやすくなってしまうためです。 理想は、ご飯・パン類等の食品 + 肉・魚・卵・乳製品などのたんぱく質の食品 + 野菜・果物、そして飲料という組み合わせ。 栄養補助食品と組み合わせるのも効果的です。
  • 可能なら、温かな汁物や飲み物、お菓子などもあると、災害でショックを受けた心をほぐす助けになります。
  • 病気のため特定の食品が食べられない、濃い味付けの料理が食べられないといった場合は、そのための配慮をした食事が必要です。 赤ちゃんの粉ミルクや離乳食が必要な人や、食物アレルギーや糖尿病、腎臓病など食事療法が必要な人、食事の介助が必要な人は、早めに避難場所・地区のまとめ役の人に相談することをおすすめします
  • 配られた食料はすぐに食べます。 傷んだ食べ物を食べてしまうと食中毒を起こし、さらにそれが他の人に広がってしまう危険があります。 とっておくなら日ごろから常温保存しても安全だとわかっているものに限ります。
  • 炊き出しでは集団食中毒が出ないよう、作業する人は衛生面によく気をつけます。 たとえば肉を扱う人・場所は限定して、野菜や果物を扱う人・場所と分ける、食材は中までよく火を通す、調理・配膳時はマスク・手袋を着ける、使い捨て食器を使う、食材はビニール袋に入れて保存するなど、清潔・整理・整頓を心がけます。 大小のビニール袋はポリタンク、ボウル、保存容器、手袋の代わりに、食器にラップをかけて使う都度取り替えれば、使い捨て食器の代わりになります。
  • トイレの整備も重要。 共同トイレを使うのがいやで、食事や水を我慢してしまう人も多いからです。 水分不足だと、血液の成分が固まって血管が詰まる「エコノミー症候群」も起きやすくなるので要注意です。

■フェイズ2(おおむね4日目から1か月まで): 応急対応

  支援物資が行き渡り、食材が余ることも出てくる段階

栄養面では、これまで不足しがちだったたんぱく質、ミネラル、ビタミン類を補給し、かたよりを改善するよう心がけます。

  • 食材では肉・魚・卵・大豆製品・乳製品・野菜・果物などを活用しましょう。 パン、おにぎり、弁当類だけになると、栄養バランスがかたよりがちなので気をつけます。
  • できれば温かい状態で食べられるよう、食事の温度にも配慮します。
  • 多めの食材は、使い方に工夫を。 傷みやすいものを先に使ったり、味噌やしょうゆに漬け込んだり、加熱したほうが日持ちする食材は火を通したりの工夫で、無駄が出ません。
  • コンロひとつ・鍋ひとつで限られた食材で作れる料理のレシピが役立ちます。 この時期にはそろそろ自宅に戻ったり、仮設住宅に入居したりする人が出てきますが、台所が使いにくく、物資や水も自由にならないことが多いためです。 油ものを少なくしたり、お皿にラップを敷いて使ったりすると、少ない水で後片付けできます。

■フェイズ3(おおむね1か月以降~): 復旧・復興対策

  仮設住宅や新居への引っ越しが始まり、生活環境が変わることへの支援が必要な段階

新しい場所に移り、買い物の場所がわからない、台所が使いにくい、将来が不安、といったことから食事を整える意欲をなくし、出来合いのもので済ませて栄養がかたよったり、飲酒量が増えたりすることがあります。

  • 困ったことがあったら抱え込まず、ぜひ家族や友人、行政担当者、ボランティアの人など、周囲に相談してみてください。
  • ときには会食や調理実習などで、他の人と時間を共有することも、気分転換になります。

◆被災しなかった人ができること
  • 直後の支援食料:  少しでも栄養バランスがよくなるよう、工夫したいもの。 たとえば同じおにぎりでも、強化米を混ぜて炊いたり、ごまやわかめ、ひじきを混ぜたりすれば、足りない栄養素の補給になります。 またお米を炊くときにもち米や少量のサラダ油(1合につき小さじ1/3前後)を混ぜて炊くと、冷えてもパサつきにくくなります。 ただし、被災者のもとに食料が届いたときには傷んでいたという残念なケースもあるので、いつ届くかわからない状況では、時間が経っても安全に食べられるものがよいでしょう。
  • 支援物資:  被災地で困っている様子を見ると、せめて手持ちの物資を送りたくなりますが、少量で多種類の物資は、受け入れ先で仕分けの手間がかかります。 同じ種類のものを地域・グループでまとめて送るか、物資が少量の場合は義援金という方法が有効とのことです。
  • ボランティア:  炊き出し等のボランティアに参加したいという人もいるでしょう。 ただし外部ボランティアの参加は作業説明や引き継ぎなど、受け入れ先の労力もかかるので、最低5-7日は続けるつもりで参加しましょう。 宿泊、食事、移動などは本人負担が基本です。
  • 日常生活:  物資の備蓄は平常時にすることです。 実際に災害のあったときは、被災地に速やかに物資が回るように、むしろいつもより買い控えたいもの。 また小さいことですが、朝夕の電力ピークを避けてまとめ調理をしたり、加工食品でなく地元産の生鮮品を活用したり、急ぎでなければ通信販売での取り寄せを一時控えたりするのも、燃料や物資の節約になり、間接的な支援になるはずです。
     尚、平常時の家庭の食料備蓄に関しては3日分が目安とされています。 これは上記フェイズ0、フェイズ1の食料になるので、高齢者、乳幼児、疾病のある人のいる家庭では、そのような人が食べられる食料も備蓄しておきましょう。

普段は忘れがちですが、食べるものが自由に手に入るということは、とてもありがたいことです。

そんな日が1日でも早く被災地に戻るよう、みんなで知恵と力を出し合っていきたいですね!


参考資料:
  新潟県災害時栄養・食生活支援活動ガイドライン -実践編-(新潟県)
  被災地における食生活改善活動(兵庫県)
  仮設住宅居住者栄養指導用資料(兵庫県)
  いざという時の心構え 災害時の食に備える(兵庫県)
  新型インフルエンザに備えた家庭用食料品備蓄ガイド(農林水産省)


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