栄養サポートで、「マラソン」完走に挑戦!:教えて!イースマ

栄養サポートで、「マラソン」完走に挑戦!

最近は健康を考えて、ジョギングを生活に取り入れている人も多いようですね。各地では市民向けのフルマラソン大会も多く開催されています。参加してみると、普段のジョギングもさらに張り合いが出るかも!?

ただし長時間の運動は、体に大きな負荷がかかりますから、十分練習を積んだうえで、栄養面からもしっかりサポートしていきましょう。


■レース3日前から当日にかけて、炭水化物をしっかり摂る!
体重50kgの20代女性ランナーが、5時間かけてフルマラソンを走ると、全部で約2000-2500kcalものカロリーを消費します。その主なエネルギー源は「脂質」と「炭水化物」です。人間の体は、脂質は体脂肪としてたくさん蓄えられますが、炭水化物は数百グラムしか蓄えることができません。この小さい炭水化物のタンクをいかに満タンにするかが、スタミナの鍵になります。

レースの3日前から当日にかけては、食べ慣れたものの範囲で、ご飯やパン、めん、小麦粉などを多く使った、炭水化物の多い食事がオススメ。関西の人が好きな「うどんとおいなりさん」のセットのように主食を2つにしたり、汁物の実をそうめん、春雨、もちなどにしたり、主菜をギョウザやワンタンなどの点心にしたり、サラダの種類をコーン、ポテト、スパゲッティなどにしたりすると、炭水化物の割合が増やせます。

ただしこのような食事が合わない人もいます。炭水化物は水分と結びついた形で貯えられるため、体が重く感じたり、未消化の炭水化物が腸内で発酵し、おなかの不調を感じたり、たんぱく質の多い肉や魚のおかずが減ることで、不調を感じたりすることがあります。自分に合った食事法かどうか、本番の前に一度試してみてください。

ちなみに炭水化物のタンクをギリギリまで満タンにするため、アスリート向けに考案されたのが、「カーボローディング」という食事法です。近年はレース3日前から、カロリーの70%以上を炭水化物が占める食事に切り替えるのが一般的です。通常の食事では、炭水化物のカロリーは60%程度ですから、体調を維持しつつこれを成功させるのは、そう簡単ではないようです。


■不具合なくスタートラインに立つ!
「レースに出る!」と思うと、有名選手愛用の食品や、雑誌で取り上げられたサプリメントが気になります。でもレース前は緊張で胃腸の働きが鈍りやすいもの。食べ慣れないものは控えておいたほうが無難です。「ガス欠」が心配だからと、普段食べないくらい大量の食事を摂るのもよくありません。逆にいえば、レース前に摂りたいものは、事前に試して問題がないことを確かめておく必要があります。
そのほか、生もの、あぶらの多いもの、調理してから時間が経ったもの、刺激が強いもの、消化が悪いものなど、ダメージになる可能性があるものは避けましょう

満腹でも空腹でもないちょうどよい状態でスタートに立つには、直前の食事は、スタート3-4時間前から遅くとも2時間前までに終えます。その後空腹を感じたら、カステラやエネルギーゼリーなど消化のよいものを、負担にならない程度に補給しましょう。


■早めでこまめな給水を!
人間は体重の2%を脱水するだけで、不調を感じます。それを防ぐには、のどの渇きを感じる前のこまめな給水が必要です。
普段の運動なら、ただの水で十分。でも数時間続けて運動するような場合には、汗に出て行く塩分も少なくなく、さらに水を飲んで体液が薄まることにより「低ナトリウム血症」で倒れるケースは、市民マラソンの大会でもあります。3時間以上続けて運動する場合は、スポーツドリンクのように0.1-0.2%程度の薄い塩分を含んだ飲み物を必ず摂るよう勧められています。1回200-250ml、1時間に2-4回程度が目安とされています。

スポーツドリンクには塩分だけでなく、たいていエネルギー源になる糖分も入っています。「ブドウ糖」や砂糖はインスリンというホルモンを分泌させるため、がぶ飲みすると急に高血糖になった後、逆に低血糖を起こし、足が重くなったり気分が悪くなったりすることがあります。「果糖」はインスリン分泌を刺激しませんが、ブドウ糖より吸収が遅いため、おなかに不快感を覚える人もいます。事前の練習で、感覚を試しておきましょう。


■ 備えあれば憂いなし!
市民ランナーがフルマラソンで準備したいのが、菓子パンやバナナなどのちょっとした携行食。4-5時間走るとなると、ゴールまでにエネルギー源が枯渇し、低血糖で倒れることもあります。走っていて食べ物のことしか考えられなくなったり、あくびが止まらなくなったりしたら要注意。高血糖やおなかの不調を招かない程度に摂りましょう。とくに寒い地域・季節の大会では、体温の維持にもエネルギーを使うためか、驚くほどおなかが空くこともあります。
市民マラソンでは給水所に食べ物が置かれていることも多いですが、取り損ねる危険がありますし、次の給水所に着く前にガス欠になってしまうかも。「備えあれば憂いなし」です。

無事にゴールできたら、なるべく早く食事を摂ったほうが、回復速度が速まります。明日の仕事や学業、そして健康に影響を出さないようにするのも、市民ランナーのたしなみです。

スタートラインに立てた自分をほめ、あとは普段通りの走りで楽しく「Good job!」


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