栄養素を知ろう! ヨウ素:栄養素を知ろう!

栄養素を知ろう!

ヨウ素

特徴

ヨウ素は「ヨード」とも呼ばれ、甲状腺ホルモンの構成成分になっているミネラルです。甲状腺ホルモンは、細胞の発達や組織の成長を促したり、基礎代謝を高めてエネルギー消費量を増やしたりします。ヨウ素は海中に多く存在するため、海藻や魚に多く含まれています。海に囲まれ海産物を日常的に食べる日本では、不足することはほとんどありませんが、もし不足すると、甲状腺の肥大や甲状腺腫が起こり、成長期の子どもでは、発育不良の原因となります。逆に、海藻を大量に食べることによって、甲状腺機能低下症、甲状腺腫などの過剰症が起こることもあります。

働き

成長を促す

甲状腺ホルモンは、たんぱく質の合成を高めたり、成長ホルモンの分泌を刺激したりして、細胞や組織の成長を促す、発育に不可欠なホルモンです。ヨウ素はこの甲状腺ホルモンの構成成分になっています。

基礎代謝の維持・増進にかかわる

甲状腺ホルモンは基礎代謝を高め、エネルギー消費量を増やす方向に働くホルモンです。そのため甲状腺ホルモンの材料であるヨウ素が不足すると、基礎代謝が低下し、寒く感じたり、体重が増加したり、疲れやすくなったりする恐れがあります。そのうえ足りない甲状腺ホルモンをもっと分泌させようと甲状腺が肥大し、甲状腺腫を発症することがあります。逆にヨウ素を摂りすぎても、甲状腺の分泌が過剰になり、発熱や甲状腺腫につながることがあります。

ヨウ素が不足すると…

甲状腺の肥大、甲状腺腫、舌の巨大化、かすれ声、倦怠感、発育不良、精神発達の遅れなど

ヨウ素を摂りすぎると…

体重減少、頻脈、じんましん、発熱、甲状腺機能低下症、甲状腺腫、甲状腺中毒症など
大量の昆布・昆布使用製品を毎日長期食べ続けたり、記載されている摂取目安量以上のサプリメントを長期服用したりすると、過剰症が表れる危険もあります。

<ヨウ素の過剰摂取について>
本サイトでは「日本人の食事摂取基準(2010年版)」(以降、食事摂取基準)をもとに、栄養素の摂取不足や過剰摂取の判定を行ってますが、食事摂取基準で定義されている耐容上限量を超えて摂取した場合でも、食事の内容により問題とならない場合があります。
以下の点を参考にして、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
・1日のみ摂取量が多い場合(1日5,000μg程度)でも、継続的に過剰摂取をしなければ問題とならない場合があります。
・ヨウ素を多く含む食品を摂取する場合、大豆製品(味噌、納豆、しょう油、豆腐など)と一緒に摂取することでヨウ素の排出を助けると言われています。

マメ知識

昆布は海藻の中でも、とくにヨウ素を多く含んでいます。同じ海藻でも、わかめには昆布の1/20~1/50程度、のりには昆布の1/20~1/160程度、寒天には昆布の1/100~1/800程度のヨウ素しか含まれていません。一方昆布だけでなく、昆布を材料にした調味料・だし・インスタント食品などにもヨウ素は含まれます。
日本人が1日にどのくらいヨウ素を摂っているか、大規模な調査はされていませんが、食品中のヨウ素量を調べた調査や、尿に排泄されたヨウ素量の調査からみると、ヨウ素を摂りすぎている人も確かにいるようです。ただしその割には(見逃されている可能性も含め)、これまでヨウ素の過剰症が報告された件数は少ないようです。

多く含む食品

  • 昆布、昆布だし、わかめ、ひじき、のり、たら、あわび、卵など
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